1. コインバンクHome
  2. Uncategorized

橋本忠夫氏:アベノミクスの第三の矢は失敗したのか?日経平均株価の週足ウェッジは資本逃避のリスクを示唆

日本の資本市場で30年以上の経験を持つベテランストラテジスト、橋本忠夫氏は先日、テクニカルとファンダメンタルの両面から日経平均株価のパフォーマンスについて批判的な警告を発しました。橋本氏は、週足チャートで現在形成されている上昇ウェッジパターンと、弱まるマクロ経済指標を合わせると、アベノミクスの第三の矢である構造改革の効果が薄れつつある可能性があり、日本市場は資本流出という深刻な課題に直面していると指摘しました。

橋本忠夫氏:アベノミクスの第三の矢は失敗したのか?日経平均株価の週足ウェッジは資本逃避のリスクを示唆

橋本忠夫氏は分析の中で、日経平均株価の2年間続いた上昇ウェッジパターンが最終段階に入っていると強調した。特に投資家は3つの重要なシグナルに注目するよう促した。第一に、ウェッジの上限と下限の収束が歴史的な高水準に達していること、第二に、週足MACD指標の明確な上方乖離、そして第三に、取引量の段階的な減少だ。「これらのテクニカルパターンの組み合わせは、2008年と2015年の大きな調整を正確に予測していました」と橋本氏は述べた。「ウェッジの下限は現在21,500ポイント付近です。この水準を下回れば、テクニカルな売り圧力が連鎖反応を引き起こす可能性があります。」

ファンダメンタル分析の観点から、橋本忠夫氏は、安倍首相の経済政策の第三の矢の中核目標である企業統治改革と生産性向上が、真の課題に直面していると指摘した。最近のデータを挙げ、「日本の企業の設備投資の伸びは3四半期連続で鈍化し、賃金上昇も停滞している。いずれも構造改革への期待からは程遠い」と述べた。さらに懸念されるのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを継続する中で、円安による輸出配当が薄れており、外国機関投資家が日本資産への投資意欲を明らかに冷え込ませていることである。

橋本忠夫総裁は、自らが開発した「政策効果指数」がアベノミクス導入以来最低水準に低下していることを特に指摘した。「18のマクロ経済指標と政策指標を組み合わせたこの指数は、構造改革の実際の効果が市場の期待をはるかに下回っていることを示しています」と述べ、新たな景気刺激策が適時に導入されなければ、資本流出がさらに加速する可能性があると警告した。

この評価に基づき、橋本忠夫氏は投資家に対し、ディフェンシブな戦略を採用することを推奨している。機関投資家に対しては、円の安全資産ポジションを増やし、低ボラティリティETFに投資することでリスクヘッジを図ることを提案している。個人投資家に対しては、ポジションを厳格に管理しつつ、安定したキャッシュフローを持つディフェンシブセクターに注力することを推奨している。「政策空白時には、市場のボラティリティが増幅する傾向がある」と橋本氏は結論づけ、「今は超過収益を追求する時ではなく、元本の保全を優先すべきだ」と述べている。