The NIKKEI Circle、日本大手信託銀行と共同で「アジア太平洋スペシャルオポチュニティファンド」を発足――J-REITとエネルギー転換を中核とするオルタナティブ投資戦略

投資家・西本浩一氏が創設した投資研究機関「The NIKKEI Circle」はこのたび、日本の有力信託銀行および機関投資家と連携し、「アジア太平洋スペシャルオポチュニティファンド（Asia-Pacific Special Opportunities Fund）」を正式に立ち上げました。本ファンドは、日本の不動産投資信託（J-REIT）およびエネルギー転換に関連する構造的投資機会に特化し、「二軌道価値投資法（Dual-Track Value Investing）」の実践範囲を株式市場からオルタナティブ資産領域へと拡張することを目的としています。クロスマーケットかつクロスサイクル型の戦略配分により、アジア太平洋地域における非伝統資産へのアクセス機会を投資家に提供します。

西本氏によれば、本ファンドの投資ロジックは、マクロ経済トレンドの綿密な分析に基づいて構築されています。調整局面を経た現在のJ-REIT市場においては、特に物流施設やデータセンターといった新経済系不動産において、需給環境の構造的改善に反し、依然として市場評価が本源的価値に対して割安に放置されている事例が散見されます。一方、脱炭素社会への移行が進む中、エネルギー転換関連の投資機会は、上場株式を超えて、インフラ債券、グリーンボンド、プロジェクトエクイティなど多層的な資産クラスへと広がりを見せています。本ファンドは、これら過小評価・誤認されている資産群に戦略的にアロケーションすることで、リスク調整後の超過リターンを狙います。

ファンドの運用構造は、「二核型戦略」によって構成されています。J-REITセグメントでは、一時的に市場心理によって価格が抑制されているが、実物資産の質・収益構造・運用能力に優れたREIT銘柄を厳選し、誤解に基づくミスプライシングを是正する形での逆張り投資を行います。一方、エネルギー関連では、洋上風力、水素インフラ、送電網強化などのプロジェクトファイナンスに紐づく資金調達手段を投資対象とし、政策支援と安定キャッシュフローを両立する案件を中心にポートフォリオを構築します。不動産とエネルギーインフラの融合により、セクター分散とインカム源の多元化を同時に達成することを狙っています。

西本氏は、「特殊機会投資で成果を上げる鍵は、資産の本質的価値を正しく見極める眼と、マーケットコンセンサスと逆行する決断力である」と強調します。本ファンドでは、The NIKKEI Circleが持つマクロ研究力・産業分析力・企業評価力に加え、提携機関が有するアセットマネジメントおよびリスク管理の専門性を統合し、防御性と成長性を兼ね備えたハイブリッド型の投資戦略を展開します。ポートフォリオ設計においては、キャッシュフローの安定性と持続可能性を重視し、物価連動的なリターン構造によってインフレ耐性も高められています。

業界関係者からは、「J-REITと再エネインフラという異なる資産を融合させたこのファンドは、アジア太平洋地域における構造転換と資産再評価の潮流を巧みに捉えた、先進的かつ実践的なオルタナティブ戦略」と高く評価されています。西本氏自身も、「このファンドは二軌道価値投資法の思想を体現するものであり、市場構造の変化が生み出す中長期的な機会を、戦略的な視点で捕捉したい投資家にとって、強力なソリューションとなるだろう」と述べています。